ナポレオンが決めた全国統一高校卒業試験バカロレア、今年は78,6%の合格率でした。これに受かっていないと次の学校へ進学できません。合格してキャーと友達と抱き合って喜んでいた子達の中で87,000人の子達が未だに学校の行き先が決まらないという最悪の夏を過ごしています。パソコンの前に座って吉報を待っている毎日です。
何度見ても”空き待ち”。”許可”が出た!と思えば全く希望と関係ない学部。昨年に比べて46,000人の学生が増えたのが一番の原因。大学は無情にもくじ引きで学生に入学許可を出しました。これじゃ一生懸命勉強していい成績でバカロレアを取ったのに、空席待ちさせられている子達は全く納得できません。フランスの法律で必ずどこかの大学には入れてくれることになっているのですが、住みたくもない街の興味も無い学部に行かせられることになる訳です。

元々、高校での進学指導がなっとらん、というのは問題になっていました。大学へ進学して最初の1週間は教室はぎゅうぎゅう満員。床に座って授業を受けている学生もいます。3か月もすると30%の学生はいなくなります。10人に4人は1年で学部を変えるそうです。3年で学位を取って卒業できるのはたった40%。
授業料が無料だから取りあえず大学ぐらいは行っとくか、という輩が多すぎるのと、アホな高校生に自分が何の職業に就くか決めなさいというのも無理があります。
分からんから、法学部、経済学部、心理学部辺りにしとこ。授業受けてみたら何か違うみたい、と又途方に暮れる子供達。

うちの息子は同系の学部なのですが編入という形で試験を受けて早々と学校が決まっていたので余裕でした。長い間劣等生まっしぐらの学校生活を送っていたのが、ここ2年ほど優等生という立場に大変身し、学級委員なんかやったり、学校の学年末のパーティーをどこぞのバーを借り切ってオーガナイズしたりの張り切りようでした。その勢い余って、難関の学校の試験まで受けたりしていました。何千人の受験生の中で筆記試験で60人に絞られます。何と彼は合格しました!!本人も大層びっくりしていました。2次は口頭試験、ここで30人に絞られます。根拠が不明なのですが、彼は口頭試験には絶大なる自信を持っています。その間に他の学校の入学許可が降りたのですが、これは蹴っていいね。なんてもうすっかり合格したつもりです。口頭試験を終えルンルンで友達達とキプロス島へヴァカンスに行きました。合格発表はそのヴァカンス中です。発表の日、パリの私はお昼頃やきもきが頂点に立ち、電話をしてみれば、今海に居るから夜帰ったら見てみるよ、なんて相変わらずの自信を保っています。そして夜遅ーく”失敗!”のSMSを受け取りました。可愛そうに相当落ち込んでいるのに違いないと、電話をすれば、楽し気な音楽をバックに”いいよいいよ、2番目に行きたい所に行けるから”とケロリとしています。変な子!筆記試験に受かった時も、この子どんな子なの?と嬉しいというより,何か腑に落ちない感じだったのですが、落ちた時の彼のリアクションもこれまた奇想天外でした。

もし、うちの子が万が一すんばらしい成績でバカロレアを取ったのに、大学で希望の勉強ができないなんてことになったらヴァカス所じゃありません。真っ黒な夏になっていたことでしょう。そんな夏を過ごしている子達とご家族の気持ち、身をもってお察しいたします。あ~可哀想過ぎる。