土曜日は一日むっちゃり蒸し暑い一日でした。

用が終わって家に帰る頃、あら夕立になるかもしれないわ、という空の具合でしたので、歩いて帰ることにしました。

こおいう所が、人が首をかしげる所なんでしょうね。

夕立になりそうなら、ちゃっちゃとバスに乗って帰るだろうが、と思うのが正しい人です。

正しくないあたしは、まだだななんて空を睨みながら歩いていましたら、向こうの方でおまわりさんが固まっていました。

何かしら、あの辺りは確か首相官邸の裏口だわ、何年か前、エリザベス女王がお忍びだったからなのか知らんけど、こっから首相に会いに入っていった門だわ。
なんて、また要らん事を考えながら近づくと、ひっそりとお庭の一般公開をしていました。私は既に入ったことあるのですが、人が並んでいなくて、その辺の公園に入るようにスルリと『首相官邸庭園』に入れるのが嬉しくてツーと入って行きました。

もちろん、セキュリティーは厳しいです。外にも中にも至る所におまわりさんや警備員がいます。勝手に歩き回ってはいけません。グループになってガイドさんの後を付いて歩きます。

このお庭は、ヴェルサイユ宮殿のお庭を手がけた当時の大スター、ル ノートル先生の甥が設計しました。18世紀のことです。

 何だかんだありまして、20世紀の始めにオーストリアの大使官邸となりました。この大使の美意識で、現在のお庭の形を完成させたそうです。

遠近法のテクニックはヴェルサイユ宮殿のお庭と同じ。奥まで続いている芝生の幅はこちら側とあちら側で2mの差をつけていたり、木の高さは遠くへ行くほど低くするといった心遣いに感心させられます。

30年ほど前から首相になったら、官邸のお庭に自分の木を植えていいことになりました。

今の首相フィヨンさんは2007年に植えたのでまだ小さい木でした。名前は何語で言われても分かりませんので、聞き流していたので知りませんが、プロポーションのいい綺麗な木でした。

でも、木に詳しい首相が大勢いるとも思えないけど、何を根拠に木を選ぶの?とガイドさんに聞いてみましたら、もちろん庭師がご相談にのります、と。

4人の庭師が日夜官邸のお庭の世話をしています。

そこいらの公園でも庭師が常に働いているので、庭師の姿はよく見かける為気が付いたのですが、庭師は皆お尻が大きい!これも私の偏見でしょうか。

いつぞや、日本で知り合いが国会議事堂と首相官邸を案内してくれました。

国会議事堂は古いのは良いんですが、汚い、壮麗のその字もみあたらない、うどん屋の匂いがしていました。

首相官邸では、裏口じゃなくて、表口が見たい!と言ったら、自慢げに案内してくれた人が、ここが正面の表口です!と目をむいてました。厳重にそのへんで警備していた人達も振り返ってあたしの事見ていました。

首相が降りてこられるこの階段はよくテレヴィや新聞で見るでしょ。と言われても、このお部屋で外国のお客様など大切な方を接待します。と言われてもね。古臭い、頑固な旅館みたいで、スリッパの音がパタパタ聞こえそうでした。

執務室なんて、突然お客さんが来た時、慌ててその辺の物片付けて、『まあまあむさ苦しい所ですが、』って言葉がピッタリの所でした。

パリの各区にある区役所のほうがよっぽど豪華です。

肝心の夕立はちっとも来なくて、やっと23時過ぎに待ちに待った、ゴロゴロゴロという音が聞こえました。全く久しぶりの雨も降りだし、あたりは雨の清々しい匂いになりました。